青く色づいた土星の北半球に落ちるリングの影

この画像に映っているのは、カッシーニ探査機がとらえた土星です。土星のリングのほか、衛星ミマス(直径398km)も映っています。

土星の表面の色は、黄色っぽい印象があるかもしれません。ただ土星の北半球が冬の時期に撮影されたこの画像では、北半球が青みがかった色になっています。青く見えるのは、雲のない上層大気によって青の波長の光が優先的に散乱されているためです。

太陽光はリングの南側から当たっており、土星の北半球にリングの影が落ちています。画像中央に広がる暗く幅広い領域は、土星のメインリングの中で最も密度が高いBリングの影です。

そのBリングの影の手前に半月状のミマスが見えています。ミマスのすぐ上、帯状の明るいところは「カッシーニの間隙」と呼ばれるリングの隙間を通過した太陽光が当たっている領域です。

画面下に見えるリングの下側にカッシーニの間隙が映っています。カッシーニの間隙の上にAリングと細いFリングも見えています。Aリングでは、土星の表面が透けて見えているのがわかります。

画像は2004年11月7日に撮影されました。撮影時、カッシーニ探査機は土星から370万kmの距離に位置していました。

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Image Credit: NASA/JPL/Space Science Institute

(参照)Planetary Photojournal