2020年、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた夏の土星 | アストロピクス

【Googleニュースでアストロピクスをフォローして新着記事をチェック!】

2020年、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた夏の土星

ハッブル宇宙望遠鏡が2020年7月4日に撮影した土星の画像です。土星の北半球の夏の時期に撮影されました。土星の表面には赤道に平行な縞模様が映っており、リングの同心円状の構造もはっきりとみえています。

2020年は7月21日に土星が衝(しょう)になりました。衝とは、地球から見て木星や土星など外惑星と太陽が反対側になるときのことで、衝の時期にはその惑星と地球との間の距離が近くなります。上の画像は衝の2週間ほど前に撮影されたものです。

北半球に、わずかに赤みを帯びたもやが映っています。これは太陽光の増加によって温められたことで大気の循環が変化したか、あるいは大気中のエアロゾルから氷が取り除かれたためかもしれません。夏の太陽光の増加が、光化学的なもやの生成量を変化させているという説もあります。

一方で、リングの下側に見える土星の南極付近は青みがかってみえます。理由ははっきりしていませんが、土星の大気は冬の時期になると青みを帯びた色になります。

土星の右には衛星ミマスが、土星の下には衛星エンケラドスが映っています。

Image Credit: NASA, ESA, A. Simon (Goddard Space Flight Center), M.H. Wong (University of California, Berkeley), and the OPAL Team

https://hubblesite.org/contents/media/images/2020/43/4713-Image