NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星着陸機インサイトのデータをもとに、火星の地殻の厚さと密度が測定されました。
2022年5月、インサイトはマグニチュード4.6の地震を記録。この地震により火星を最大3回まわる表面波が観測されました。研究チームはさまざまな周波数での速度を測定し、その速度から内部構造についての情報を推定しました。
研究チームは新たなデータと、火星の重力や地形に関する既存のデータを組み合わせて、火星の地殻の厚さを求めました。地殻の厚さは平均42〜56kmで、最も薄いイシディス盆地が約10km、最も厚いタルシス地域で約90kmでした。
火星の北半球は平らな低地が多く、一方で南半球は高い台地が広がっています。研究チームは地震観測と重力データに基づき、北半球の低地と南半球の高地の地殻の密度が似ていることを示しました。一方で南半球の地殻は北半球よりも深くまで広がっています。【1分で読む宇宙ニュース】
(参照)ETH Zurich