この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の木星探査機ジュノーが、2022年9月29日に衛星エウロパに接近した際に撮影したものです。エウロパの縁や昼夜境界に沿って、水蒸気が噴出している兆候を探すために、コントラストを調整した画像になっています。ただ噴出の兆候は確認されていません。画像の撮影時、ジュノー探査機はエウロパから1521kmの距離に位置していました。
昼夜境界の領域では、太陽光が低い角度から当たり地形の凹凸が目立っています。またコントラストを強調したことによりエウロパの夜側にもうっすらと地形が見えています。これは木星で反射した太陽光がエウロパの夜側に当たっているためです。地球の月でも、月の暗い部分が地球の反射光に照らされてうっすらと明るく見えることがあり「地球照」と呼ばれます。この画像ではいわば「木星照」によりエウロパの陰の部分が照らされているのです。
画像は探査機に搭載されたカメラ「ジュノーカム」で撮影されました。ジュノーカムのデータは一般に公開され、誰でも処理することが可能です。この画像は市民科学者のBrian Swift氏が、ジュノーカムの生データ(raw data)をもとに作成したものです。
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Image data: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS
Image processing: Brian Swift CC BY 3.0