ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が原始星を包み込む星雲をとらえた

この画像はジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影したもので、原始星を取り囲む分子雲「L1527」が映っています。ウェッブ望遠鏡のMIRI(中間赤外線装置)で撮影されました。

L1527は、おうし座の方向、約460光年の距離にあります。内部には原始星が隠れています。原始星は誕生してから約10万年しか経過しておらず、まだガスと塵の雲に包まれています。

青色の領域は、PAH(多環芳香族炭化水素)という、すす状の分子を示しています。赤色は原始星そのものと、それを包み込むガスと塵。それらの間の白い領域は、PAH、電離したガス、その他の分子の混合物です。

原始星が進化を継続し、ジェットを放出するにつれて、分子雲の物質の多くが使われ、またそれが破壊されたり押し除けられたりします。そのため、現在見られるような光景は、しだいに見られなくなっていきます。

画像は7.7μmの波長の赤外線を青、12.8μmを緑、18μmを赤に割り当てて色合成したものです。2024年7月2日に公開されました。

なお、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のNIRCam(近赤外線カメラ)で撮影した同じ天体の画像を、アストロピクスで紹介したことがあります。あわせてご覧ください。(参考)原始星が作り出した「砂時計」 ウェッブ望遠鏡が撮影

Image Credit: NASA, ESA, CSA, STScI

(参照)Webb Space TelescopeESA/Webb