近赤外線で見た木星 ケックII望遠鏡が撮影 | アストロピクス

近赤外線で見た木星 ケックII望遠鏡が撮影

この画像は、ハワイ島のマウナケア山頂にあるケックII望遠鏡で木星を撮影したものです。2006年7月20日(現地時間)に撮影されたもので、2023年7月19日にケック天文台がツイートで紹介しました。

画像は近赤外線で撮影された擬似カラー画像です。可視光で見ると赤みを帯びて見える、南半球の巨大な渦模様「大赤斑」が、この画像では白っぽく見えています。また大赤斑の下には、「赤斑ジュニア(オーバルBA)」も見えています。赤斑ジュニアは地球と同じ程度の大きさ、大赤斑は地球の2倍ほどの大きさがあります。

赤斑ジュニアは1998年から2000年にかけて3つの白斑が合体して形成されたもので、可視光で見るともともとは白っぽい色をしていました。2005年末から2006年にかけて赤くなりましたが、最近はまた白っぽい色に戻っています。

画像は1.29μm、1.58μm、1.65μmの波長で撮影された画像を合成したものです。右上には衛星イオが映っていますが、観測中に動いたため各波長に割り当てられた緑、赤、青にわかれて見えています。青が大きく見えるのは画像処理によるものです。木星が1.65μmの波長で暗いため、ほかの色に合わせて明るくなるように処理した結果、青だけが大きく見えています。

Image Credit: IMKE DE PATER, MICHAEL WONG (UC BERKELEY); AL CONRAD (KECK), AND CHRIS GO (CEBU, PHILIPPINES)

(参照)W.M.Keck Observatory