NASA(アメリカ航空宇宙局)の木星探査機ジュノーがとらえた、木星の大赤斑のクローズアップ画像です。
大赤斑は木星の南半球にある高気圧性の渦で、地球がまるごと1個入ってしまうほどの大きさがあります。ジュノー探査機の観測データによると、大赤斑はこれまで予想されていたよりも大気の奥深くまで広がっていることが分かりました。その深さは雲頂から約500kmに及びます。この驚くべき発見は、大赤斑や他の渦が、太陽光が届いて大気を温める深さまで降りていることを示しています。
この画像は、ジュノー探査機が7回目の木星接近を行った2017年7月10日に撮影された画像を処理して作成され、2021年12月7日にNASA・JPL(ジェット推進研究所)のPlanetary Photojournalなどに掲載されました。画像の撮影時、ジュノー探査機は木星の南緯約33度の上空、雲頂から約1万3840kmに位置していました。
ジュノー探査機は木星に最接近するたびに、搭載しているジュノーカムというカメラで木星表面を撮影しています。そのデータは一般に公開され、誰でも処理することが可能です。この画像は市民科学者のAndrea Luck氏が、ジュノーカムのデータをもとに作成したものです。
Image Credit:
Image data: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS
Image processing by Andrea Luck © CC BY