これらの画像は、カッシーニ探査機が撮影した木星です。1回転以上する間にさまざまな角度から見た木星の姿が映し出されています。木星は地球の2倍以上のスピードで自転しており、約10時間で1回転します。カッシーニ探査機は土星に向かう途中の2000年12月30日に木星へ最接近しましたが、一連の画像はその2か月ほど前の10月22〜23日に撮影されました。
画像を見ると、木星表面に見られる雲や渦などの模様が時間の経過とともに左から右へと動いているのがわかります。最も目立っているのは南半球にある「大赤斑」と呼ばれる巨大な渦模様で、3番目と4番目の画像、そして1回転後の最後の画像に映っています。大赤斑は高気圧性の渦で反時計回りに回転しています。
地球に比べて木星の雲は長寿命なため、1回転後の画像と比べても非常によく似た外観をしています。ただ部分ごとに見ると、ある緯度では東向き、別の緯度では西向きに動いています。
カッシーニ探査機が撮影した当時、木星の赤道帯は白くなっていました。これは地球での巻雲のような雲の存在を示しています。ただし雲は水の氷ではなくアンモニアでできています。この画像の20年ほど前にボイジャー探査機が撮影した木星の赤道帯は、茶色がかった色をしていました。赤道帯の北端で灰色がかった暗い青の部分は、アンモニアの雲が晴れて木星大気のより深いところが見えている領域です。
こちらは9枚の画像を動画にしたものです。
Image Credit: NASA/JPL/University of Arizona