木星の衛星エウロパ表面の新鮮なクレーター

木星の衛星エウロパにある若い衝突クレーター「Pwyll」が、画像下側に映っています。NASA(アメリカ航空宇宙局)の木星探査機ガリレオが1996年12月19日に撮影した高解像度モザイク画像に、低解像度のカラー画像を重ね合わせたものです。Pwyllクレーターは、エウロパ表面で最も若い地形の一つだと考えられています。

クレーター中央の暗い円形部分は直径およそ40km。エウロパの地下からの噴出物が暗く見えています。また衝突地点から四方八方に1000km以上にわたって放射状に明るい筋が伸びています。さまざまな地形の上に重なっていることから、その筋ができた年代が若いことがわかります。明るい物質は、画像内の他の場所でみられる青色や茶色の物質とは異なり、新鮮で細かい水の氷の粒子でできている可能性があります。

画像には暗い直線状の構造も映っています。それらは明るい筋の両脇に暗い筋があり3本の線にみえることから「トリプルバンド」と呼ばれています。それらの互いの重なり具合から、相対的な年代を決めることができます。

Image Credit: NASA/JPL/University of Arizona

(参照)Planetary Photojournal