2024年8月19日から20日(日本時間20日から21日)にかけて、木星氷衛星探査機JUICEは月と地球で連続してスイングバイを行いました。その際に、JUICEに搭載されたナビゲーションカメラ(NavCam)で撮影した月と地球の画像がESA(ヨーロッパ宇宙機関)から公開されました。
JUICEはガニメデやエウロパ、カリストといった衛星を35回フライバイする予定です。その際、高精度なナビゲーションが必要になります。NavCamは、そのような正確なナビゲーションを実現するために使われるカメラです。衛星を通過する際、NavCamによって画像を撮影し、探査機の機内でデータを処理して軌道の調整を行います。
19〜20日の月・地球でのスイングバイの際のナビゲーションには、NavCamは必要ありませんでした。今回の撮影はNavCamをテストするために行われたものです。宇宙空間でNavCamがテストされるのは今回が初めてでした。
アストロピクスでは先日、JUICEのモニタリングカメラで撮影された月や地球の画像を紹介しました。NavCamも、モニタリングカメラと同様、科学観測のためのカメラではありません。
NavCamの撮影画像
こちらはNavCamで撮影した月の画像です。月の縁(地平線)が見えています。JUICEは、木星の衛星に対しても似たような縁の画像を撮影し、ナビゲーションに利用します。
こちらの画像は月面をとらえたもので、左下側に豊の海が見えています。
これらは地球をとらえたもので、JUICEが太平洋上空を通過中に撮影されました。
(参考)
木星氷衛星探査機JUICE、月・地球でのスイングバイ成功!
木星氷衛星探査機JUICEがスイングバイ時にとらえた月
木星氷衛星探査計画「JUICE」 打ち上げ後の予定は? 何を探査する?
CREDIT: ESA/Juice/NavCam
ACKNOWLEDGEMENTS: Airbus
(参照)ESA