南米チリ、セロ・パチョン山の2基の望遠鏡と夜空に流れる天の川

この画像は南米チリで撮影されたもので、セロ・トロロ汎米天文台(CTIO)にあるSOAR望遠鏡と、その頭上に輝く天の川が映っています。

SOAR望遠鏡の右には、空にレーザービームを照射するジェミニ南望遠鏡も見えています。これは人工的にレーザーガイド星を生成し、大気のゆらぎの影響を抑える補償光学システムの一部です。補償光学システムでは、目標の天体の近くにある明るい点光源(ガイド星)から測定した大気のゆらぎぐあいを利用します。しかし自然の恒星で補償光学に利用できるものは少ないため、レーザーを使って人工的にガイド星を生成します。

SOAR望遠鏡の頭上には、天の川が横に流れています。SOAR望遠鏡の真上には南十字が、その左側にはケンタウルス座α星、β星が並んで明るく輝いています。地平線近くの空には大気光もかすかに輝いています。

SOAR(Southern Astrophysical Research)望遠鏡は、口径4.1mの光学赤外線望遠鏡です。一方のジェミニ南望遠鏡は口径8.1m。SOAR望遠鏡とジェミニ南望遠鏡は、セロ・トロロから南東に10kmほど離れたセロ・パチョンという山に設置されています。

画像は、NSF(アメリカ国立科学財団)のNOIRLab(アメリカ光学・赤外天文学研究所)から2024年5月1日に「Images of the Week」として公開されたものです。

Image Credit: International Gemini Observatory/NOIRLab/NSF/AURA/T. Slovinský

(参照)NOIRLab