ハッブルが見た銀河団と重力レンズで歪んだ遠方銀河 | アストロピクス

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ハッブルが見た銀河団と重力レンズで歪んだ遠方銀河

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた銀河団LCDCS-0829の画像です。LCDCS-0829はおとめ座にある銀河団で、銀河団の重力レンズによって、より遠方にある銀河が弧状に引き延ばされて見えています。

この銀河団は、「Las Campanas Distant Clusters Survey(仮訳:ラスカンパナス遠方銀河団サーベイ)」で発見されたもので、銀河団の名称の「LCDCS」は頭文字を並べたものになっています。このサーベイは南米チリのラスカンパナス天文台の1m望遠鏡を使って1995年3月に行われたもので、1000個以上の銀河団が発見されました。

重力レンズ現象は、アルバート・アインシュタインの一般相対性理論から導かれたもので、銀河団などの巨大な質量を持つ天体の重力によって遠方の銀河などからくる光が曲がり、遠方銀河の像が歪んだり引き延ばされたり、また拡大されたりする現象です。この画像にも、弧状に引き延ばされた銀河の像がいくつも見えています。

画像は2011年4月18日にリリースされたハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」です。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA

(参照)ESA/Hubble