火星の春、砂丘の斜面に見られた氷の溶け残りと砂の黒い筋 | アストロピクス

【Googleニュースでアストロピクスをフォローして新着記事をチェック!】

火星の春、砂丘の斜面に見られた氷の溶け残りと砂の黒い筋

この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターがとらえたもので、火星のカイザー・クレーター内にある砂丘の斜面を映したものです。

カイザー・クレーターは火星の南半球にある直径202kmほどのクレーターです。画像に映る砂丘は冬になると季節的な氷で覆われます。画像が撮影されたのは火星の南半球の春で、砂丘の斜面の氷が昇華してほとんどなくなっています。

画像で白く見えているのは二酸化炭素の氷(ドライアイス)と水の氷です。また砂の暗い筋が斜面を流れているのも映っており、場所によっては白い氷の上に被っているところもあります。その砂の筋は、春に太陽の熱が砂丘を温めて霜が氷から気体へと急速に変化したことで生じたものです。

マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページ(アリゾナ大学)では、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2021年12月8日に撮影されたもので、2022年3月15日のHiPODとして紹介されました。

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

(参照)HiRISE