ハッブル望遠鏡がとらえた渦巻銀河と楕円銀河のダンス

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえたこの画像は、渦巻銀河NGC 3227とその伴銀河である楕円銀河NGC 3226が、荒れ狂う重力のダンスに包まれている様子をとらえたものです。これらの銀河は、しし座の方向、5000万〜6000万光年の距離にあり、2つの銀河をあわせてArp 94とも呼ばれています。

これらの銀河は近距離にあるため互いの重力で影響を与え合っています。2つの銀河の間をよく見ると、かすかなガスと塵によって両者の間が結びついているのが分かります。

渦巻銀河NGC 3227は「セイファート銀河」と呼ばれるタイプの銀河で、非常に活動的な中心核を持つ銀河(活動銀河)の一種です。セイファート銀河の中心には超巨大ブラックホールがあり、物質が落ち込む際にブラックホールのまわりにできる降着円盤から大量の電磁波が放射されます。そのような銀河の中心核は「活動銀河核」と呼ばれます。

ハッブル宇宙望遠鏡は、明るい銀河団の中心でのガスの動きをとらえることでブラックホールの質量を測定するプログラムの一環として、NGC 3227とNGC 3226を観測しました。

Credits: NASA, ESA, H. Ford (Johns Hopkins University), and DSS; Image Processing: G. Kober (NASA Goddard/Catholic University of America)
Credits: NASA, ESA, H. Ford (Johns Hopkins University), and DSS; Image Processing: G. Kober (NASA Goddard/Catholic University of America)

左上は地上の望遠鏡でとらえたNGC 3227とNGC 3226で、銀河の周囲も映っています。右は冒頭と同じ画像で、左下はNGC 3227の中心付近をクローズアップしたものです。

画像はNASA(アメリカ航空宇宙局)のウェブページで2022年5月25日に紹介されました。

Main Image Credit: NASA, ESA, and H. Ford (Johns Hopkins University); Image Processing: G. Kober (NASA Goddard/Catholic University of America)

(参照)NASA