ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた超新星残骸の泡 | アストロピクス

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ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた超新星残骸の泡

大マゼラン銀河にある超新星残骸SNR 0509-67.5(SNR 0509)をハッブル宇宙望遠鏡がとらえた画像です。

超新星爆発の爆風によって衝撃を受けたガスが輝いて泡のようにみえています。泡の表面に見られる波紋は、周囲の星間ガスの密度の微妙な変化によって生じたか、爆発による放出物の破片によって内側から引き起こされたものとみられます。泡状の殻は直径23光年で、秒速5000km以上で広がっています。

超新星爆発にはいくつかのタイプがあります。SNR 0509はIa型超新星爆発の残骸です。Ia型の超新星爆発は、連星系の白色矮星に伴星からのガスが降り積もったり、白色矮星どうしが合体したりなどによって、白色矮星の質量が限界を超えて不安定になり発生すると考えられています。SNR 0509は後者ではないかとみられています。

SNR 0509は超新星爆発から400年ほど経過した姿だとみられ、西暦1600年ごろには南半球で観測されていた可能性があります。しかし当時、大マゼラン銀河で「新星」が出現したという記録は残っていません。

Image Credit: NASA, ESA, and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA); Acknowledgment: J. Hughes (Rutgers University)

(参照)Hubblesite