NASAの太陽探査機が最後の金星フライバイを完了。太陽に約610万kmまで接近へ

金星を通過するパーカー・ソーラー・プローブの想像図。Image Credit: NASA/Johns Hopkins APL/Steve Gribben
金星を通過するパーカー・ソーラー・プローブの想像図。Image Credit: NASA/Johns Hopkins APL/Steve Gribben

2024年11月6日、NASA(アメリカ航空宇宙局)の太陽探査機パーカー・ソーラー・プローブが金星でのフライバイを行い、太陽に約610万kmまで接近する軌道に入りました。

2018年8月に打ち上げられたパーカー・ソーラー・プローブは、太陽を周回しながら観測を行っています。これまで金星でのフライバイを6度実施してきており、今回の7度目が金星での最後のフライバイになります。11月6日、パーカー・ソーラー・プローブは金星表面から約387kmを通過しました。

今回の金星フライバイにより、パーカー・ソーラー・プローブは2024年12月24日に、太陽の表面から約610万kmまで接近することになりました。この距離は、地球〜月間の距離(平均約38万4400km)の16倍ほどという、非常に近い距離です。パーカー・ソーラー・プローブは、これまでで最も太陽に接近する人工物となり、未知の領域からデータを送り返してくることになります。

近日点の前後、つまり太陽に最接近する前後では、パーカー・ソーラー・プローブとの通信はできなくなります。運用チームは、12月21日と27日に探査機の状態を確認する予定になっています。

パーカー・ソーラー・プローブの主要ミッションでは、合計24回の近日点通過が計画されています。12月24日の今回の最接近は、そのうちの22回目になります。探査機は2025年3月と6月にも、今年12月とほぼ同じ距離と速度(時速69万2018km)で近日点を通過することが予定されています。

(参考)「パーカー・ソーラー・プローブ」記事一覧

(参照)Johns Hopkins Applied Physics Laboratory