火星の南半球の夏、高緯度地方に残された霜 | アストロピクス

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火星の南半球の夏、高緯度地方に残された霜

火星周回機トレース・ガス・オービター(TGO)が、火星の南半球の高緯度にあるSisyphi Tholus付近を撮影した画像です。南半球の真夏の早朝に撮影されたもので、堆積した霜の残骸がとらえられています。

火星の高緯度地域では、二酸化炭素の氷と霜が発達します。白っぽく見える部分は、地面の亀裂に霜が残っているところです。これは地中に埋もれている水の氷の存在を示しています。

また、黒い斑点状のものが画像全体に見られます。これは夏に二酸化炭素の氷が昇華(固体から気体に変わる)する過程で、二酸化炭素の氷の亀裂に暗い色の土が押し出されたものです。

TGOは、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)とロシア・ロスコスモスが共同で進めるエクソマーズ計画で打ち上げられた探査機です。2016年3月に打ち上げられ、同年10月に火星の周回軌道に入りました。

画像は2021年1月6日に公開されました。

Image Credit: ESA/Roscosmos/CaSSIS, CC BY-SA 3.0 IGO

(参照)ESA