ハッブルがとらえた、きょしちょう座の棒渦巻銀河NGC 7329 | アストロピクス

【Googleニュースでアストロピクスをフォローして新着記事をチェック!】

ハッブルがとらえた、きょしちょう座の棒渦巻銀河NGC 7329

この画像は、きょしちょう座にある棒渦巻銀河NGC 7329をハッブル宇宙望遠鏡がとらえたものです。

中央にある黄色っぽいバルジから、青っぽい色の渦状腕が巻きつくように伸びています。渦状腕に見られる暗い部分は、奥にある星の光を塵が遮っている領域です。画像をよく見ると、銀河の背景には、NGC 7329よりも遠方にある銀河がいくつも映り込んでいるのが分かります。

この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡に搭載されているWFC3(広視野カメラ3)で撮影されました。ハッブル宇宙望遠鏡のカメラは、市販のデジタルカメラのように最初からカラー画像が撮影されるわけではありません。ハッブル宇宙望遠鏡が撮影する生画像はモノクロです。

紫外線や可視光、赤外線など、波長によって見えるものが異なります。天文学者が研究したいことに合わせて、ハッブル宇宙望遠鏡は特定の範囲の波長の光で天体をとらえます。観測する光の波長を制御するため、ハッブル宇宙望遠鏡のカメラにはさまざまなフィルターが装備されており、特定の波長の光だけをカメラのCCD(光センサー)に到達するようにしています。

そのようにして撮影された複数のモノクロ画像に色付けをして重ね合わせることで、冒頭の画像のような美しい画像に仕上げています。たとえば冒頭のNGC 7329の画像の場合、紫外線から可視光、赤外線までの4種類のフィルターを使って撮影した画像を処理したものです。

画像は2021年12月6日にリリースされたハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」です。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, A. Riess et al.

(参照)ESA/Hubble