この画像はハッブル宇宙望遠鏡が撮影したものですが、一見するとたんに星が密集している領域を撮影したように見えます。ただ実際に画像に映っているのは、「ESO 245-5」と呼ばれる銀河です。この銀河は、ほうおう座の方向、約1500万光年の距離にあります。
ESO 245-5が銀河に見えにくいのは、渦巻銀河のようなはっきりした構造がないことも理由の一つです。見かけの形によって銀河を分類する「ドゥ・ボークルール分類」によれば、ESO 245-5は「IB(s)m」に分類されます。
画像を公開したESA(ヨーロッパ宇宙機関)のウェブページによれば、IB(s)mの最初の項目の「I」は不規則なことを示しています。2番目の「B」は銀河が棒状構造を持っていること、3番目の「(s)」は渦巻き構造の気配はあるもののはっきりしたものはないこと、そして4番目の「m」は天の川銀河の伴銀河である大小マゼラン雲と類似していることを示しているとのことです。
画像はハッブル望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)で撮影されたもので、ハッブル望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として2024年2月5日に公開されました。
Image Credit: ESA/Hubble & NASA, M. Messa
(参照)ESA/Hubble