天の川銀河のバルジに隠された球状星団ジョルゴフスキー1をハッブルが捉えた | アストロピクス

【Googleニュースでアストロピクスをフォローして新着記事をチェック!】

天の川銀河のバルジに隠された球状星団ジョルゴフスキー1をハッブルが捉えた

この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡で天の川銀河のバルジの方向を映したものです。この画像の中には、1987年に発見された球状星団「ジョルゴフスキー1(Djorgovski 1)」も含まれています。

バルジは、天の川銀河の中心付近にある膨らんだ部分です。バルジにはたくさんの星があり、ジョルゴフスキー1はバルジに近いところにあるため、この画像には多くの星が映っています。

ジョルゴフスキー1のような球状星団は、天の川銀河の進化の初期に形成されたもので、銀河の内側の初期進化について知るための手がかりとなる可能性があります。しかしあまりにも多くの物質が邪魔をするため、正確なデータを得ることは困難です。しかもジョルゴフスキー1に属する星は非常に暗いのです。

星の化学組成を調べることで、ジョルゴフスキー1に属する星と、バルジに属する星とを区別するための情報が得られました。ジョルゴフスキー1の星には、水素とヘリウム以外はあまり含まれていないことも分かっています。そのように水素やヘリウムより重い元素が少ないことを、天文学では「金属が少ない」と表現します。ジョルゴフスキー1は、天の川銀河で最も金属が少ない星団の1つだと見られています。

画像は2011年6月27日にリリースされたハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」です。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA

(参照)ESA/Hubble