この画像は、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が棒渦巻銀河NGC 1300をとらえたものです。ウェッブ望遠鏡のNIRCam(近赤外線カメラ)とMIRI(中間赤外線装置)で撮影されました。NGC 1300は、エリダヌス座の方向、6900万光年の距離にあります。地球に対して銀河円盤を正面に向けた、いわゆる「フェイスオン銀河」の1つです。
NIRCamの画像は青で示されており、主に星が映っています。一方のMIRIの画像は赤っぽい色で示されており、主に塵が映っています。
ハッブル宇宙望遠鏡がとらえたNGC 1300
こちらは同じNGC 1300を、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた画像です。こちらは可視光と紫外線のデータを組み合わせたものです。塵は赤外線を放射するためウェッブ望遠鏡の画像では輝いて見えますが、可視光や紫外線を吸収するためハッブル望遠鏡の画像では暗く見えています。
こちらはNGC 1300をとらえたウェッブ望遠鏡とハッブル望遠鏡の画像を交互に示した映像。
NGC 1300の中央付近には激しい星形成が生じているリングがありますが、ウェッブ望遠鏡の画像ではそのリング構造がはっきりと見えています。
そのほかの星形成領域は、ウェッブ望遠鏡の画像では明るい赤色の塊状に見えています。一方、ハッブル望遠鏡の画像では明るい青色の星団や、赤やピンク色の電離した水素ガスとして映っています。
画像は2024年1月29日に公開された、ウェッブ望遠鏡がとらえた19のフェイスオン渦巻銀河の画像のうちの1枚です。「PHANGS(Physics at High Angular resolution in Nearby GalaxieS:近傍銀河の高解像度観測による物理学研究)」というプログラムの一環で撮影されました。
(参考記事)ウェッブ望遠鏡がとらえた19の「フェイスオン」渦巻銀河コレクション
Image Credit: NASA, ESA, CSA, STScI, Janice Lee (STScI), Thomas Williams (Oxford), Rupali Chandar (UToledo), PHANGS Team