伴銀河を吸収しつつある渦巻銀河NGC 1532 ダークエネルギーカメラが撮影

この画像に大きく映っているのは、エリダヌス座の渦巻銀河NGC 1532です。地球から約5500万光年の距離に位置しています。そのすぐ上には、伴銀河(衛星銀河)である矮小銀河NGC 1531が映っています。

近くにある小さな銀河を吸収したり、他の銀河と合体したりすることで、銀河は成長、進化します。この画像には、そのような銀河の成長過程の初期段階がとらえられています。

NGC 1532は、地球から見て銀河円盤が真横に近い角度で見えています。手前側にある渦状腕は下に下がり、奥にある渦状腕は矮小銀河の重力で引っ張られて上方にゆがんでいます。また2つの銀河の間には、ガスと塵が橋のように架かっています。重力の相互作用は、両方の銀河に爆発的な星形成を引き起こしました。

これらの銀河のように、大きな銀河が小さな銀河を吸収するプロセスは、私たちのすむ天の川銀河でも過去6回起きたと考えられています。

画像は、南米チリ、セロ・トロロ汎米天文台(CTIO)にあるビクター・M・ブランコ4m望遠鏡に搭載されている「ダークエネルギーカメラ(DECam)」で撮影されました。DECamは、5億7000万画素の広視野カメラです。

DECamは元々、正体不明のダークエネルギー(暗黒エネルギー)の解明に向けた「ダークエネルギーサーベイ」で使われていました。2013〜19年に行われたそのサーベイ計画ののち、DECamはさまざまな目的の科学観測に利用されています。

画像は2023年7月25日に、NSF(アメリカ国立科学財団)のNOIRLab(アメリカ光学・赤外天文学研究所)からリリースされました。

Image Credit: CTIO/NOIRLab/DOE/NSF/AURA; R. Colombari, M. Zamani & D. de Martin (NSF’s NOIRLab)

(参照)NOIRLab