惑星誕生の現場で見つかったガスの渦巻き構造 | アストロピクス

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惑星誕生の現場で見つかったガスの渦巻き構造

Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), J. Huang; NRAO/AUI/NSF, S. Dagnello

この画像は、地球から約520光年の距離にある若い星「おおかみ座RU星」のまわりにある渦巻き構造をしたガスを、アルマ望遠鏡がとらえたものです。おおかみ座RU星では60天文単位の大きさの塵の円盤が観測されていましたが、新たに見つかったガスの渦巻き構造の大きさは約1000天文単位にも及びます。なお天文単位とは太陽と地球の間の平均距離をもとに決められた距離の単位で、1天文単位は約1億5000万kmです。

惑星は、ガスと塵からなる原始惑星系円盤の中で生まれます。塵は惑星の「種」をつくるのに必要で、一方ガスは惑星の大気の材料になります。

Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), J. Huang and S. Andrews; NRAO/AUI/NSF, S. Dagnello

左下の枠内は、以前アルマ望遠鏡で観測された、おおかみ座RU星の塵の円盤の画像です。形成中の惑星の存在を示唆する、同心円状のリングや隙間が見えています。その塵の円盤に比べ、ガスの渦巻き構造が広範囲に及んでいることが分かります。

ガスの渦巻き構造ができる原因について、観測を行った研究チームはいくつかのシナリオを示していますが、いずれも観測結果を完全には説明できないとのことです。ほかの星で似たような構造が見つかれば、謎を解く手がかりが得られるとみています。

(参照)NRAOアルマ望遠鏡