ハッブルがとらえた星の誕生と死の現場カリーナ星雲の中心部 〜 30 Years, 30 Images #17(2007年) | アストロピクス

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ハッブルがとらえた星の誕生と死の現場カリーナ星雲の中心部 〜 30 Years, 30 Images #17(2007年)

りゅうこつ座の方向、約7500光年の距離にあるカリーナ星雲の中心部。幅50光年の範囲が映し出されています。星の誕生の場であるガスと塵の雲とともに、死にかけた星も映っています。

星雲には、太陽の50倍〜100倍の質量を持つとみられる星が、少なくとも十数個は存在しています。そのような星の1つであるりゅうこつ座イータ星(イータ・カリーナ)が、画像左側に映っています。大質量星であるりゅうこつ座イータ星は、その短い生涯の最終段階にある星です。

大質量星からの恒星風や紫外線が周囲のガスを圧縮することで、次世代の星形成が進みつつあります。また恒星風や紫外線によってガスが削り取られてできた柱状の構造が、画像の右下などでみられます。

「ボーク・グロビュール」と呼ばれるガスと塵からなる小さな塊もあちらこちらにみられます。このような塊の中で、星が誕生することもあります。

画像はハッブル宇宙望遠鏡のACS(掃天観測用高性能カメラ)で撮影した48枚の画像をモザイク合成したものです。色情報は、南米チリにある地上望遠鏡セロ・トロロ汎米天文台のデータが利用されています。

ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ30周年(2020年4月24日)に向けて、NASA(アメリカ航空宇宙局)は「30 Years, 30 Images」と題して、これまでハッブルが撮影してきた画像から各年1枚ずつ選んで公開しています。

冒頭の画像はその17枚目のもので、打ち上げ17周年を記念して2007年4月にリリースされたものです。

Image Credit: Hubble Image: NASA, ESA, N. Smith (University of California, Berkeley), and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA); CTIO Image: N. Smith (University of California, Berkeley) and NOAO/AURA/NSF

https://www.flickr.com/photos/nasahubble/49576721861/in/album-72157713228021437/

https://hubblesite.org/contents/media/images/2007/16/2099-Image.html