ベピコロンボの2回目の水星フライバイ時の映像公開!

日欧共同の水星探査ミッション「ベピコロンボ」は2022年6月23日に水星での2回目のフライバイを行いました。その際に撮影した56枚の画像をつなぎ合わせた動画がESA(ヨーロッパ宇宙機関)から公開されました。

画像はいずれも、ベピコロンボの電気推進モジュール(MTM)に設置されたモニタリングカメラ(MCAM)で撮影されたものです。撮影は、高度200kmで水星に最接近した直後から約15分間にわたり行われました。MCAMの撮影画像は1024×1024ピクセルのモノクロ画像で、探査機の一部も映り込んでいます。

動画は3つのパートに分かれています。動画の最初の部分はモニタリングカメラの1つ(MCAM2)で撮影されたもので、約920kmから約6099kmまでの間に撮影された画像が使われています。

その次に、同じくらいの距離(約984km〜6194km)で別のモニタリングカメラ(MCAM3)によって撮影された画像を使った動画が続きます。

MCAM2とMCAM3は、電気推進モジュールの両サイドに設置されています。動画の最後の部分は、それら両方のカメラの画像を合成し、まるで水星がベピコロンボの後方へ去っていくかのような映像になっています。

なお、画像に映る水星表面の地形については、先日公開した記事「ベピコロンボが2回目の水星フライバイで撮影した水星画像(続報)」「ベピコロンボの2回目の水星フライバイ時にとらえた初画像が公開された」をご覧ください。

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モニタリングカメラの位置

Image Credit: ESA
Image Credit: ESA

この図は、航行中のベピコロンボの構成を示したものです。

ベピコロンボは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の水星磁気圏探査機「みお」(MMO:Mercury Magnetospheric Orbiter)とESA(ヨーロッパ宇宙機関)の水星表面探査機(MPO:Mercury Planetary Orbiter)、電気推進モジュールMTM(Mercury Transfer Module)が結合した形で航行しています。

図には上から、「みお」を中に納めたサンシールド、MPO、MTMが描かれています。MTMの部分でオレンジ色で示されているのが3台のモニタリングカメラの位置で、数字はMCAM1〜MCAM3を示しています。

白枠内は各MCAMの視野を示しており、機体の一部がどのように映るかの例も示されています。MCAM2にはMPOの磁気センサーや中利得アンテナが、MCAM3にはMPOの高利得アンテナが映り込みます。冒頭の動画でも同様に映り込んでいるのが確認できます。

ベピコロンボは水星の周回軌道に入るまでの7年間で、合計9回のフライバイを行います。すでに地球で1回、金星で2回、今回も含め水星で2回のフライバイを終えました。残り4回はすべて水星でフライバイを行い、2025年に水星の周回軌道へ入る予定です。

Credit: Image: ESA/BepiColombo/MTM, CC BY-SA 3.0 IGO; Music composed and performed by Anil Sebastian and Ingmar Kamalagharan.

(参照)ESA