この画像は水星表面をとらえたもので、画像中央を縦に走る断崖地形が映っています。NASA(アメリカ航空宇宙局)の水星探査機メッセンジャーが、2013年9月23日に撮影したもので、画像の幅は約260kmあります。
画像に映っているのは「ディスカバリー断崖」と呼ばれる断崖の一部です。太陽光が低い位置から当たっていることもあり、この画像では断崖地形がくっきりと見えています。
このような断崖地形は水星では珍しいものではなく、あちらこちらで見られます。水星が形成された後しばらくして、内部が冷えて収縮したために表面にできた「しわ」のようなものだと考えられています。
なお、ディスカバリー断崖によって切り裂かれているかのようにみえるクレーターは、直径58kmのラモー・クレーターです。
この画像は、対象を絞って行われた高解像度観測で得られたものです。水星の全表面をこのような高解像度で観測することはできませんが、科学的に関心の高い領域がこのモードで撮影されました。
Image Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington