周辺地形より若い、水星の「バルトーク・クレーター」 | アストロピクス

周辺地形より若い、水星の「バルトーク・クレーター」

この画像に映っているのは、水星表面にある直径約90kmの「バルトーク・クレーター」です。NASA(アメリカ航空宇宙局)の水星探査機メッセンジャーが、2012年5月3日に撮影しました。

バルトーク・クレーターは、クレーターの壁が階段状になっており、また中央丘も存在しています。またクレーターが形成された際の噴出物が周囲を覆っているようにみえます。これらのことからバルトーク・クレーターは、周辺の地形よりも若いとみられています。ただし左右にある小さなクレーターは、バルトーク・クレーターより後に形成されたものです。

クレーター名の「バルトーク」は、ハンガリーの作曲家バルトーク・ベーラ(1881〜1945)にちなんで名付けられました。水星のクレーターには、世界各地の音楽家や画家、作家など芸術家の名前が付けられています。水星のクレーターの中には、日本人にちなんで名付けられたものも30個あります。

メッセンジャー探査機は2011年3月に水星の周回軌道に入り、2015年5月まで運用されました。

Image Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington

(参照)Planetary Photojournal