ハッブルがとらえた珍しいタイプの惑星状星雲Abell 78 | アストロピクス

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ハッブルがとらえた珍しいタイプの惑星状星雲Abell 78

この画像は惑星状星雲Abell 78をとらえたものです。Abell 78は珍しいタイプの惑星状星雲で、はくちょう座の方向、約5000光年の距離にあります。

太陽の0.8〜8倍の質量の恒星は、年老いると膨らんで赤色巨星になります。やがて外層のガスが放出され、中心核だけが残され高温・高密度の白色矮星になります。中心の星からの紫外線によって周囲に放出されたガスが電離して輝いているのが惑星状星雲です。

Abell 78では、星の中心部では水素やヘリウムの核融合反応が停止しているにもかかわらず、星の表面で熱核反応の暴走によって物質が高速で噴出します。その噴出物が、周囲の星雲の物質に衝撃を与えるとともに掃き集めることで、中心星のまわりにフィラメント状の構造や不規則な殻のような構造を作り出しています。

画像はハッブル宇宙望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)とPan-STARRS(パンスターズ)のデータを組み合わせたもので、2021年3月15日にリリースされたハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」です。

Credit: ESA/Hubble & NASA, M. Guerrero
Acknowledgement: Judy Schmidt

(参照)ESA/Hubble