ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえた子持ち銀河M51 | アストロピクス

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ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえた子持ち銀河M51

この画像は渦巻銀河M51(NGC 5194)をジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえたものです。M51は、りょうけん座の方向、地球から約2700万光年の距離にあります。「子持ち銀河」とも呼ばれており、近くに矮小銀河NGC 5195が存在しています。

画像はウェッブ望遠鏡のNIRCam(近赤外線カメラ)とMIRI(中間赤外線装置)で撮影した画像を合成したものです。暗赤色の領域は、温かい塵を示しています。赤い領域は塵粒子上に形成された複雑な分子からの光、オレンジ色や黄色は最近形成された星団による電離ガス領域を示しています。

こちらの画像はNIRCamで撮影された画像です。

こちらはMIRIで撮影された画像です。

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「FEAST」というプログラムの一環で観測

ウェッブ望遠鏡によるM51の観測は、FEAST(Feedback in Emerging extrAgalactic Star clusTers)という観測プログラムの一環で行われました。FEASTは、天の川銀河外の環境において、星のフィードバックと星形成との間の相互作用を探ることを目的としています。フィードバックとは、恒星から流出するエネルギーや運動量が星の周囲の環境に影響を与える現象です。ほかの星の形成に影響することもあり、フィードバックを調べることは星形成の速度を決定する上で重要です。

ウェッブ望遠鏡のウェブページでは毎月、「Picture of the Month(今月の1枚)」の画像を公開しています。今回紹介した画像は2023年8月29日にPicture of the Monthとして掲載されたものです。

Image Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, A. Adamo (Stockholm University) and the FEAST JWST team

(参照)ESA/Webb