この画像には、巨大な輝線星雲IC 1396の内部にある暗黒星雲「IC 1396A」を赤外線でとらえたものです。2020年に退役したNASA(アメリカ航空宇宙局)のスピッツァー宇宙望遠鏡が撮影しました。IC 1396は、ケフェウス座の方向、地球から2450光年の距離にあります。
IC 1396Aはその形から「象の鼻星雲(Elephant Trunk Nebula)」とも呼ばれています。冒頭のスピッツァー望遠鏡の画像は、「象の鼻」の先端付近をとらえたものです。
象の鼻星雲は、大質量星の放射に耐えて残った高密度のガスの塊です。スピッツァー望遠鏡の画像では、可視光では暗くて見えていない星雲内部が見えています。スピッツァー望遠鏡の観測により、6個の原始星が新たに発見されました。それらは主に、暗黒星雲の南側に沿って赤みを帯びた天体として見えています。
Image Credit: NASA/JPL-Caltech/W. Reach (SSC/Caltech)