青く輝く星雲に囲まれた若い変光星「おうし座HP星」 ハッブル望遠鏡が撮影

Image Credit: NASA, ESA, G. Duchene (Universite de Grenoble I); Image Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America)
Image Credit: NASA, ESA, G. Duchene (Universite de Grenoble I); Image Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America)

反射星雲内の空洞でまばゆく輝く3つの星をハッブル宇宙望遠鏡がとらえた画像が新たに公開されました。

これらの星は、変光星である「おうし座HP星(HP Tau)」を含む三重星系です。おうし座の方向、地球から約550光年の距離にあるおうし座HP星は、中心でまだ核融合反応が始まっていない段階の「Tタウリ型星」と呼ばれるタイプの星として知られています。

Tタウリ型星の多くは1000万年未満の年齢です。Tタウリ型星はしばしば、自らが生まれたガスと塵の雲に包まれたまま発見されます。

おうし座HP星は他の変光星と同様、時間の経過とともに明るさが変化します。Tタウリ型星の明るさの変化は、周期的なものとランダムなものがあることが知られています。ランダムな変動は、星の周囲にあるガスと塵からなる円盤が不安定なことや、星の表面で発生するフレアなど、いくつかの要因があるとみられます。周期的な変化は、星の回転によって巨大な黒点群が視界に入ったり隠れたりすることに起因する可能性があります。

三重星系の周囲には、ガスと塵からなる星雲が青く輝いています。この輝きは星雲自体が光っているわけではなく、星からの光を反射して明るく見えているものです。

Image Credit: NASA, ESA, G. Duchene (Universite de Grenoble I); Image Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America); Inset: KPNO/NOIRLab/NSF/AURA/T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF's NOIRLab)
Image Credit: NASA, ESA, G. Duchene (Universite de Grenoble I); Image Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America); Inset: KPNO/NOIRLab/NSF/AURA/T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF's NOIRLab)

左下の画像には、おうし座HP星を含む三重星系を取り囲む星雲の全体像が映っています。(参考記事)一人前になる前の若い星「おうし座HP星」と星を取り囲む星雲

冒頭の画像は、ハッブル宇宙望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)で撮影されたもので、2024年5月15日にNASA(アメリカ航空宇宙局)のウェブページで公開されました。

(参照)NASA