おおぐま座の方向、約6億光年の距離にある相互作用銀河Arp 194を、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた画像。ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ(1990年4月24日)19周年を記念して、2009年4月にリリースされた画像です。
上の方にある天体には少なくとも2つの銀河核があり、銀河の合体の初期段階にあるとみられます。塵を含む渦状腕や、青く輝く星形成領域もみられます。下の方には、青く輝く星形成領域を伴った渦巻銀河があります。
上の合体しつつある銀河から、青い物質が流れるように下に向かって10万光年にわたって伸びています。そこには数十個の若い星団からなる超星団の複合体が存在しています。
それらの若い星団は、上の合体しつつある銀河どうしの相互作用の結果として形成されたと考えられています。相互作用によってガスが圧縮され、激しい星形成が生じたとみられます。
一見すると、青い星々の流れは下にある銀河につながっているようにみえます。しかし実際にはその流れは、下の銀河よりも手前にあります。下の銀河が、上の銀河と相互作用しているかどうか、はっきりとは分かっていません。
ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ30周年(2020年4月24日)に向けて、NASA(アメリカ航空宇宙局)は「30 Years, 30 Images」と題して、これまでハッブルが撮影してきた画像から各年1枚ずつ選んで公開しています。
冒頭の画像はその19枚目のものです。
Image Credit: NASA, ESA, and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA)
https://www.flickr.com/photos/nasahubble/49576974542/in/album-72157713228021437/
https://hubblesite.org/contents/media/images/2009/18/2542-Image.html