星形成が活発な、はと座の渦巻銀河NGC 2090 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影

この画像はハッブル宇宙望遠鏡がとらえたもので、はと座の渦巻銀河NGC 2090が映っています。

ハッブル望遠鏡によるセファイド変光星(ケフェウス座δ型変光星)の観測に基づく1998年の研究では、NGC 2090までの距離は3700万光年とされました。2020年の最新の測定によれば、NGC 2090までの距離は4000万光年とされています。最新の測定は、渦巻銀河の絶対光度と銀河内のガスの回転速度との間の関係をもとにしたタリー・フィッシャー法を用いたものです。

NGC 2090は「flocculent spiral galaxy」と呼ばれるタイプの渦巻銀河の1つです。「flocculent」は「綿状の」「羊毛の」などの意味の言葉で、「flocculent spiral galaxy」とは、それぞれの渦状腕が、はっきり区別しやすいものではなく、斑状で不連続になっているような銀河です。画像を見ると、NGC 2090では塵の帯が非常に目立っています。

NGC 2090は活動が活発な銀河で、さまざまな進化段階の星の集団が銀河円盤全体に存在しています。星形成と銀河内の物質の動きを調べるため、今年10月にハッブル宇宙望遠鏡で観測されました。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡でも観測されており、アストロピクスではそのウェッブ望遠鏡の画像を明日紹介する予定です。

画像はハッブル望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)で撮影されたもので、ハッブル望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として2024年11月25日に公開されました。

(参考)「ハッブル今週の1枚」記事一覧

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, D. Thilker

(参照)ESA/Hubble