火星の「偵察衛星」がとらえた火星の「人面岩」 | アストロピクス

火星の「偵察衛星」がとらえた火星の「人面岩」

この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)のマーズ・リコネッサンス・オービターが高解像度カメラHiRISEで火星の表面をとらえたものです。火星のシドニア地域にあるメサ(テーブル状の台地)が映っています。この地形は、1976年7月25日にNASAの火星探査機バイキング1号が撮影して有名になりました。

こちらはバイキング1号が撮影した画像です。冒頭の画像と同じ地形が、中央上に見えています。光と影の関係で人の顔のように見えることから「火星の人面岩」と呼ばれています。冒頭の高解像度画像を見ると、人の顔とは全く違うことがわかります。(参考記事)火星の「人面岩」

マーズ・リコネッサンス・オービターがこの地形をとらえた2枚の画像からデジタル地形モデルが作られました。この動画は、デジタル地形モデルをもとに立体的に再現した地形を使い、バイキング1号が撮影した1976年7月25日の日の出から日没までの影のようすを再現したものです。動画を見ると、日没直前の時間帯のみ、人の顔のように見えることがわかります。

なおマーズ・リコネッサンス・オービターの「リコネッサンス(reconnaissance)」とは「偵察」の意味です。マーズ・リコネッサンス・オービターはその名にたがわず、高解像度で火星の観測を続けています。

マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページ(アリゾナ大学)では、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2023年11月4日に撮影されたもので、2025年4月25日のHiPODとして紹介されました。

(参考)「マーズ・リコネッサンス・オービター」関連記事

Image Credit: NASA/JPL、NASA/JPL/UArizona

(参照)HiRISE