南米チリで撮影された6惑星のパレード | アストロピクス

南米チリで撮影された6惑星のパレード

この画像は南米チリにある、ESO(ヨーロッパ南天天文台)パラナル天文台で2月初旬に撮影されたものです。明るく見えているのは月で、そのほかに天の川やアトラス彗星(C/2024 G3)も見えています。それらに加えて、地球と水星以外の6惑星(土星、金星、海王星、天王星、木星、火星)が直線状に並ぶように映っています。

こちらはそれぞれの天体の位置などを示したものです。画像内の「ecliptic」は黄道(天球での太陽の通り道)のことです。太陽系の惑星はすべて、地球の公転軌道面(黄道面)に近い平面を公転しているため、地球から見ると惑星はほぼ直線状に並んで見えることになります。ただ夜空に見える惑星の数は時期によって異なります。

なお2月末ごろに、数多くの惑星が夜空に見えることが「惑星直列」としてSNSやニュースなどで話題になりましたが、空で並んで見えるだけで、宇宙空間で惑星が直列しているわけではありません。

画像を見ると、天の川(Milky Way)と黄道が斜めに交わっていることがわかります。これは黄道面が、天の川銀河の銀河面に対して約60度傾いているためです。銀河面を基準とすると、太陽系の惑星は約60度傾いて公転しているのです。

画像は2025年3月10日に、ESOの「今週の1枚(Picture of the Week)」として公開されました。

Image Credit: B.Haeussler/ESO

(参照)ESO