X線、可視光、電波で見た大マゼラン銀河のタランチュラ星雲 | アストロピクス

X線、可視光、電波で見た大マゼラン銀河のタランチュラ星雲

この画像に映っているのは、大マゼラン銀河にあるタランチュラ星雲(かじき座30)です。チャンドラX線望遠鏡のX線(青、緑)、ハッブル宇宙望遠鏡の可視光(黄)、アルマ望遠鏡の電波(オレンジ)のデータが合成されています。

大マゼラン銀河は天の川銀河の伴銀河(衛星銀河)で、地球から約16万光年の距離にあります。タランチュラ星雲には、少なくとも2500万年にわたり星を形成し続けるのに十分な材料が存在しています。天の川銀河や大マゼラン銀河、アンドロメダ銀河などを含む局所銀河群の中で、最も活発な星形成領域です。

チャンドラ望遠鏡は約23日間の観測で3615個のX線源を検出しました。それらのX線源には大質量星、連星系、形成途中の明るい星や若い星の小さな星団などが含まれています。そのほかにも、大質量星の星風や、超新星爆発などによって放出されたガスなど、さまざまな発生源から生じた大量の高温ガスも映っています。

画像右下には直径約130光年ほどの「30 Dor C」と呼ばれるスーパーバブル(超新星爆発などにより形成されたシェル状の構造)も見えています。

(参考)「タランチュラ星雲」記事一覧

Image Credit: X-ray: NASA/CXC/Penn State Univ./L. Townsley et al.; Infrared: NASA/JPL-CalTech/SST; Optical: NASA/STScI/HST; Radio: ESO/NAOJ/NRAO/ALMA; Image Processing: NASA/CXC/SAO/J. Schmidt, N. Wolk, K. Arcand

(参照)Chandra X-ray Observatory