X線と赤外線でみた活発な星形成領域RCW 108 | アストロピクス

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X線と赤外線でみた活発な星形成領域RCW 108

この画像には、天の川銀河内にある活発な星形成領域RCW 108が映っています。RCW 108は、さいだん座の方向、地球から約4000光年の距離にある、水素分子の雲と若い星団からなる領域です。

画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)のチャンドラX線望遠鏡のX線画像と、スピッツァー宇宙望遠鏡が観測した赤外線画像を合成したものです。X線を青、赤外線を赤とオレンジに割り当てて合成されました。

チャンドラの観測からは、400以上のX線源が特定されました。X線源の90%は星団の一部だとみられています。RCW 108の多くの星では、オリオン星雲など他の若い星形成領域に見られるような激しいフレアが発生しています。画像の中央付近の幼い星からのX線は、ガスと塵によって遮られており、X線源が相対的に少なく見えています。

スピッツァーの画像に見られる、中央やや左の明るい部分には星団が埋もれています。画像左側には、「NGC 6193」という星団の星がいくつか見えています。NGC 6193にある高温の大質量星からの放射によって、RCW 108の高密度な雲が侵食されている過程にあると見られています。

画像内のいくつかの領域では、予想より多くの大質量星候補が存在しています。これはRCW 108内で、局所的に星形成が進んだ場所が複数あることを示唆しています。NGC 6193の大質量星からの放射によって、RCW 108のガス雲が圧縮されて重力崩壊が起こり、新しい星が形成されている可能性があります。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/CXO/CfA

(参照)Planetary Photojournal