これらの画像に映っているのは天王星です。左下はハッブル宇宙望遠鏡、右下はニューホライズンズ探査機から撮影された画像です。遠方にある太陽系外惑星の観測がどのようなものになるかを検証するため、全く異なる視点から同時に天王星が撮影されました。
太陽系外惑星を直接撮影する際、惑星の全面に恒星の光が当たる「満月」のような状態を撮影することはできません。必ず部分的に恒星に照らされている欠けた状態でのみ撮影することが可能です。「満月」状態のときは、惑星が恒星の向こう側に隠れてしまうからです。
地球から天王星を観測すると、天王星は地球より外側を公転しているため大きく欠けた状態を見ることはできません。一方、現在海王星以遠のカイパーベルトを航行中のニューホライズンズ探査機からは、天王星が欠けた状態を見ることができます。
これまで、天王星に似た太陽系外惑星は数多く見つかっています。またニューホライズンズの観測では天王星が小さな点にしか見えないことも、地球(付近)から撮影する系外惑星と似ている点です。
ニューホライズンズ探査機の観測から、部分的に照らされている太陽系外惑星は予測より暗くなる可能性があることが示唆されました。またハッブル望遠鏡が観測した欠けていない状態の天王星と、ニューホライズンズが撮影した欠けている天王星では、大気の光の反射が異なることも示唆されたとのことです。
Image Credit: S. Hasler (MIT), J. DePasquale (STScI), J. Olmstead (STScI), NASA, ESA, CSA
(参照)Hubblesite、ESA/Hubble