ハッブル宇宙望遠鏡が1997年に撮影した天王星

こちらは、1997年7月28日にハッブル宇宙望遠鏡が撮影した天王星の画像です。ハッブル望遠鏡に当時搭載されていたNICMOS(近赤外カメラ・多天体分光器)という観測装置で撮影されました。天王星を南極側から見ています。

右の画像は、左の画像の90分後に撮影されたものです。どちらも3枚の近赤外線画像に色を割り当てて合成した擬似カラー画像です。周囲を公転する各衛星が移動しているのが分かります。また可視光では非常にかすかな天王星のリングが、近赤外線で撮影することではっきりと見えています。最も明るく見えているのはイプシロンリングです。

中緯度にみられる青色は、大気が澄んだ状態であることを示しています。南極周辺の緑色は局所的なもや、天王星の縁付近に見られる赤色は高高度のもやが存在することを示しています。右端に見られる赤く明るい点は高高度の雲です。中緯度の青色のやや明るい点(右画像の矢印)は、低高度にある雲です。

Image Credit: Erich Karkoschka (University of Arizona) and NASA

(参照)Hubblesite