NASA(アメリカ航空宇宙局)の小惑星探査機オシリス(オサイリス)・レックスが小惑星ベンヌから採取したサンプル(試料)を入れたカプセルが、2023年9月24日に地球へ届けられます。カプセルには2020年にベンヌ表面から採取されたサンプルが250グラム入っていると推定されています。
オシリス・レックスは地表から約10万2000km(地球〜月の間の3分の1ほど)まで近づくとカプセルを放出します。カプセルは放出から4時間後(日本時間23時42分)に、地球の大気圏に突入します。大気圏突入から約2分後に減速用パラシュートを展開、6分後に上空1.6kmでメインパラシュートを展開します。大気圏突入から13分後、カプセルはアメリカ、ユタ州の砂漠にある国防総省の試験訓練地域へ着地する予定です。
回収されたカプセルは、近くに設置された一時的なクリーンルームで初期処理などを行った後、NASAジョンソン宇宙センターへ航空機で輸送されます。
探査機は新たな目標天体へ
カプセルを放出した探査機はそのまま地球を通り過ぎ、新たな目標天体へと旅立ちます。カプセル放出から20分後、探査機はスラスターを噴射して小惑星アポフィスへ向かいます。そこからは探査機には「オシリス・エイペックス(OSIRIS-APEX)」という新たな名称が与えられ、探査を続けることになります。
Image Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center/CI Lab