この画像に映っているのは、りょうけん座の方向、2350万光年離れたところにある渦巻銀河M106(NGC 4258)です。ハッブル宇宙望遠鏡の画像に、天体写真家の撮影した画像を補完して作成された画像です。
M106には、ふつうの渦巻銀河と同じように、星々と塵やガスなどからなる2本の渦状腕があります。M106にはさらに、それとは別に高温ガスからなる2本の「腕」も存在しています。
それらの腕は、冒頭の画像ではうっすらと赤く見えています。X線や電波で観測すると、よりはっきりと見ることができます。高温ガスの2本の腕は、銀河中心にある超巨大ブラックホールによって生じたものだと考えられています。
M(メシエ)106は、シャルル・メシエの名前が冠されていますが、メシエ自身が発見したわけでもカタログ化したわけでもありません。メシエの助手であるピエール・メシャンによって18世紀に発見されましたが、メシエカタログに加えられたのは20世紀になってからです。
(参考記事)地上望遠鏡がとらえた渦巻銀河M106の比類なき鮮明画像
Image Credit: NASA, ESA, the Hubble Heritage Team (STScI/AURA), and R. Gendler (for the Hubble Heritage Team). Acknowledgment: J. GaBany
(参照)ESA/Hubble、Hubblesite