ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた、とも座RS星の光のエコー | アストロピクス

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ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた、とも座RS星の光のエコー

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた、とも座RS星。とも座の方向、6500光年の距離にあります。

とも座RS星は、「セファイド変光星」と呼ばれるタイプの変光星です。セファイド変光星は、周期的に明るさが変わる星で、変光の周期が長いほど絶対等級(本当の明るさ)が明るいという特徴を持っています。

とも座RS星は6週間の周期で明暗を繰り返します。質量は太陽の10倍、直径は太陽の200倍もある巨大な星で、平均的な明るさは太陽の1万5000倍ほどです。

とも座RS星の周囲には、ガスと塵からなる星雲が存在しています。この星雲は、星からの光を反射して光って見えています。

Image Credit: NASA, ESA, and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA)-Hubble/Europe Collaboration;
Acknowledgment: H. Bond (STScI and Pennsylvania State University)

https://hubblesite.org/contents/media/images/2013/51/3263-Image.html

https://www.spacetelescope.org/images/heic1323a/

この映像は、とも座RSの周辺の星雲をとらえたタイムラスプ映像です。

光の速度は有限です。そのため、星に近いところにあるガスや塵に光が届くよりも、星から遠いところにあるガスや塵に光が届くまでには時間がかかります。中心の星から直進してきた光が私たちのいる地球にまず届き、時間が少し経ってから、星の近くのガスや塵に反射した光が届きます。さらに時間が経ってから、より遠くにあるガスや塵に反射した光が地球に届きます。このような現象は「光エコー」と呼ばれています。上の映像は、とも座RS星の周囲の光エコーをとらえたものです。

とも座RS星では、変光の周期と光エコーの測定から、星までの距離が1%の誤差で6500光年と導き出されました。

Credit: NASA, ESA, the Hubble Heritage Team (STScI/AURA)-ESA/Hubble Collaboration, and H. Bond (STScI and Pennsylvania State University)

https://www.spacetelescope.org/videos/heic1323a/