火星のシリア高原で発生したダストデビルを宇宙からとらえた

この画像は、火星のシリア高原(Syria Planum)の平原で発生し移動中のダストデビル(塵旋風)をとらえたものです。NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターが高解像度カメラHiRISEで撮影しました。画像右下に見えるダストデビルの左上方向には、ダストデビルの影が暗く映っています。このような影の長さから、ダストデビルの高さが推定できます。

ダストデビルは地球でも見られる現象です。太陽光が地面を加熱し、そのすぐ上の空気が温められることで発生します。火星でもよく見られる現象で、マーズ・リコネッサンス・オービターのような周回機だけでなく、表面で観測する探査車でもしばしば観測されています。

HiRISEを運用するアリゾナ大学のウェブページによれば、シリア高原のような塵の多い地域で、地面が温められる晩春から夏にかけての時期に、ダストデビルの監視を行なっているとのことです。

HiRISEのウェブページでは、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。これらの画像は2023年3月7日に撮影されたもので、2023年6月5日のHiPODとして紹介されました。

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

(参照)HiRISE