NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査車パーサヴィアランスが、火星のサンプル採取に成功したことが確認されました。2021年8月上旬に行われたサンプル採取の試みは失敗に終わっており、今回がパーサヴィアランスによる初のサンプル採取成功になりました。
パーサヴィアランスがドリルを使って「ロシェット」と愛称がつけられた岩石に穴を開け、サンプル採取を開始したのは2021年9月1日でした。くり抜き作業ののち、封をする前にローバーのマストに設置されたカメラMastcam-Zでチューブの中が撮影されました。
ただ先日撮影されたときには太陽の角度が悪くチューブ内が見えにくかったことから、太陽の角度が良い時に再び撮影を行うとしていました。今回、再度撮影し、チューブ内に岩石のサンプルが存在することが確認されました。
その後、パーサヴィアランスはチューブをローバー内部に移し、岩石コアの測定と撮影を行いました。容器が密閉された後で再度画像を撮影し、チューブを収納しました。冒頭の画像は9月6日、チューブを内部に移した後に、パーサヴィアランスのCacheCam(Sample Caching System Camera)で撮影されたものです。中央にチューブ内のサンプルが映っています。
こちらはチューブを密封後にCacheCamで撮影された画像です。
NASAとESA(ヨーロッパ宇宙機関)は、チューブに収められたサンプルを、将来的に持ち帰るサンプルリターンを計画しています。これまで月や小惑星などからサンプルを持ち帰った例はありますが、地球以外の惑星からのサンプルリターンに成功すれば史上初の快挙となります。
Image Credit: NASA/JPL-Caltech