この画像は、2023年4月20日の日食が発生中に、NOAA(アメリカ海洋大気庁)の「DSCOVR(ディスカバー)」衛星が地球を撮影したものです。オーストラリア大陸西部付近が暗くなっているのが映っています。
日食は、太陽の手前を月が横切り、太陽が隠されて見えなくなる現象です。太陽と地球の間に月が入り、月の影が地球上に落ちることで発生します。DSCOVRのこの画像には、地球に落ちた月の影が映っています。
DSCOVRは第1ラグランジュ点(L1点。太陽と地球の間の、地球から約150万kmの点)から地球を観測しています。つねに太陽を背にしており、順光で地球を撮影することができます。
月が地球をまわる軌道は円ではなく楕円です。地球から月までの距離は時期によって異なるため、地球からの月の見かけの大きさも違って見えます。月が太陽を完全に隠す日食は「皆既日食」と呼ばれます。月の見かけの大きさが太陽より小さく、月の周りに太陽がリング状にはみ出して見える日食は「金環日食」と呼ばれます。また太陽の一部だけが月に隠れる日食を「部分日食」といいます。
4月20日の日食は、観察する場所によって皆既食だったり、あるいは金環食だったりする「金環皆既日食」でした。日本列島の一部からは部分食が見られました。
Image Credit: NASA/NOAA
(参照)EPIC : DSCOVR