3つの天文衛星でとらえた太陽

この画像に映っているのは太陽です。NASA(アメリカ航空宇宙局)のNuSTAR(ニュースター)、JAXA(宇宙航空研究開発機構)・国立天文台の太陽観測衛星「ひので」、NASAの太陽観測衛星SDOという3つの天文衛星が撮影した画像を合成したものです。NuSTARがとらえた高エネルギーX線を青、ひのでがとらえた低エネルギーX線を緑、SDOがとらえた極端紫外線を赤に割り当てて合成しています。

こちらは3つの衛星のそれぞれの画像です。上からNuSTAR、ひので、SDO。NuSTARの視野は狭く太陽全体を見ることはできません。NuSTARの画像は25枚の画像を合成したものになっています。

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NuSTARのデータからナノフレアを調査

NuSTARが撮影した高エネルギーX線は、太陽の大気中で最も高温の物質が存在する場所に現れます。一方、ひのでとSDOは、太陽全体から放射されるX線や紫外線を検出します。

「コロナ」と呼ばれる太陽の上層大気の温度は100万度以上に達します。太陽の表面よりコロナのほうが100倍以上も高温になることは長年の謎になっています。太陽の熱は中心で発生し、外側へと伝わっていくからです。

コロナの熱源は、「ナノフレア」と呼ばれる小規模な爆発現象である可能性があります。ナノフレアは、コロナの平均温度よりも高温の物質を生成します。ナノフレアは、通常のフレアと比べて非常に小規模ではあるものの、コロナを加熱するのに十分な頻度で発生する可能性があります。

個々のナノフレアは微弱すぎて太陽のまばゆい光に紛れてしまいますが、NuSTARは、多数のナノフレアが接近して発生したときに生成されるとみられる高温物質からの光を検出することができます。NuSTARのデータを調べることで、ナノフレアの発生頻度や放出されるエネルギーなどについて調べることができます。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/JAXA

(参照)NASA