ハッブル望遠鏡がとらえた球状星団M79 他の銀河から奪い取った星団か?

球状星団M79(NGC 1904)をハッブル宇宙望遠鏡がとらえた画像です。M79は、うさぎ座の方向、約4万1000光年の距離にあります。

球状星団は、数万から数百万個の星が重力によって結びついて球状になった星団です。M79では直径118光年の領域に約15万個もの星が存在しています。それらの星の中には117億歳と推定される古い星も含まれています。

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M79には青色はぐれ星が存在

画像では、太陽程度の質量の星は黄色く見えています。赤み大びた星は赤色巨星と呼ばれる年老いた段階の星です。星団全体に見られる青い星のほとんども年老いた星で、これらは星の中心部で核融合のための水素燃料を使い果たし、現在はヘリウムの核融合が進んでいます。

青い星の中には「青色はぐれ星」と呼ばれるタイプの星も含まれています。青色はぐれ星は、青く輝いて高温で若く見える星です。連星系での星の合体か、無関係な2つの星の衝突によって形成されます。

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M79は他の銀河から奪いとった球状星団?

天の川銀河の球状星団の多くは、銀河系中心方向のいて座の周辺で見られますが、M79は銀河系中心とは反対の空に見られる球状星団の1つです。M79は、銀河系中心からは約6万光年離れています。

メシエ・カタログに載っている球状星団の中で、近くの銀河から天の川銀河が奪い取った可能性がある球状星団が2つあります。M79はその2つのうちの1つです。M79は、おおいぬ座矮小銀河にあった球状星団が天の川銀河に捕獲されたものである可能性があります。

画像は、ハッブル望遠鏡のWFPC2(広視野惑星カメラ2)を使って1995年と1997年に行われた可視光と紫外線の観測データを組み合わせたものです。

Image Creidt: NASA and ESA
Acknowledgment: S. Djorgovski (Caltech) and F. Ferraro (University of Bologna)

(参照)HubblesiteNASA