木星探査機ジュノー、衛星エウロパのフライバイへ

木星を周回しながら観測を続けているNASA(アメリカ航空宇宙局)の木星探査機ジュノーが、2022年9月29日18時36分(日本時間)、木星の衛星エウロパ表面から358km以内の距離まで最接近します。これほどまで接近するのは、2000年1月にNASAの木星探査機ガリレオが351km以内まで接近して以来のことです。

ジュノー探査機は現在、43日間で木星を1周していますが、今回のエウロパでのフライバイにより38日間で1周する軌道に変更されます。ジュノー探査機は2021年6月には衛星ガニメデに最接近しており、2023年、24年には衛星イオに接近する予定になっています。

ジュノー探査機に搭載されたジュノーカムで、2021年10月16日に撮影されたエウロパ。8万2000kmの距離から撮影されました。
ジュノー探査機に搭載されたジュノーカムで、2021年10月16日に撮影されたエウロパ。8万2000kmの距離から撮影されました。
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機器を総動員して観測を行う

エウロパへの最接近の際、ジュノー探査機に搭載されている機器を総動員して観測が行われることになっています。搭載カメラ「ジュノーカム」では可視光画像を4枚撮影予定で、ガリレオ探査機の画像と比較して表面の地形の変化を探ります。画像は1ピクセルあたり1kmより高い解像度が期待されています。また、MWR(マイクロ波放射計)を使って氷の地殻を観測し、組成や温度に関するデータを取得します。

エウロパへの最接近時、ジュノー探査機はエウロパの影に入ります。ただ太陽光が木星で反射された光をたよりに、ジュノー探査機のスターカメラ(星夜の画像を撮影してジュノーの方位を知るためのカメラ)でモノクロ画像を撮影することになっています。またJIRAM(赤外線オーロラマッピング装置)でエウロパ表面の赤外線画像を撮影します。

エウロパでは以前、水蒸気のプルームが発見されており、そのプルームを検出できる可能性もあります。その他、エウロパの電離層に関するデータの収集なども行われます。

今回の観測データは、2024年に打ち上げられ2030年に木星へ到着予定の探査機エウロパ・クリッパーにも役立てられます。エウロパ・クリッパーはエウロパで50回近くフライバイを行い、表面のようすや大気、内部に関するデータを収集することになっています。

Credit: Image data: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS. Image processing: Andrea Luck CC BY

(参照)JPL