かつて生き別れたプレアデス星団の3000超の「きょうだい星」を特定 | アストロピクス

かつて生き別れたプレアデス星団の3000超の「きょうだい星」を特定

プレアデス星団。Image Credit: NASA、ESA、AURA/Caltech
プレアデス星団。Image Credit: NASA、ESA、AURA/Caltech

おうし座の「プレアデス星団(和名は『すばる』)」は、比較的若い星々が集まった散開星団です。肉眼では6〜7個の星しか見えませんが、双眼鏡や望遠鏡で見ると数十個の星があることがわかります。そのプレアデス星団の星々の「きょうだい星」たちを特定したとする研究が発表されました。

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TESSとガイアのデータから特定

この星図は、アメリカ、パサデナの夜空でのプレアデス星団のきょうだい星たちの分布を示しています。3019個からなるGreater Pleiades Complexの星のうち、1631個が地平線上に見えています。中央の緑色部分がプレアデス星団。おうし座とオリオン座、北斗七星は水色の星座線で結ばれています。 Image is courtesy of Andrew Boyle/University of North Carolina Chapel Hill
この星図は、アメリカ、パサデナの夜空でのプレアデス星団のきょうだい星たちの分布を示しています。3019個からなるGreater Pleiades Complexの星のうち、1631個が地平線上に見えています。中央の緑色部分がプレアデス星団。おうし座とオリオン座、北斗七星は水色の星座線で結ばれています。 Image is courtesy of Andrew Boyle/University of North Carolina Chapel Hill

私たちの太陽を含むほとんどの恒星は、分子雲の中で集団で誕生します。それらの星々は、時間が経つとともに離れ離れになっていきます。アメリカ、ノースカロライナ大学などの研究チームは、すでに離れ離れになって約2000光年にわたり広がっているプレアデス星団の3000以上の「きょうだい星」を特定したと発表しました。研究チームは、プレアデス星団を含むそれらのきょうだい星の集まりを「Greater Pleiades Complex」と呼んでいます。

恒星は若いころは速く自転し、歳をとるとともにゆっくりと自転するようになります。研究チームはNASA(アメリカ航空宇宙局)の系外惑星探査衛星TESSによる恒星の自転観測データと、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)のガイア衛星による恒星の位置・運動データを組み合わせることで、プレアデス星団のきょうだい星たちを特定しました。

今回の研究の手法は、太陽についても大きな恒星族の中で生まれたのかどうかを明らかにするのに役立つ可能性があるとのことです。

(参照)Carnegie ScienceUniversity of North Carolina