ハッブル望遠鏡がとらえた「凍てつくしし座星雲」

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた原始惑星状星雲IRAS 09371+1212。IRAS 09371+1212は、「Frosty Leo Nebula(凍てつくしし座星雲)」とも呼ばれます。水の氷の粒が豊富に存在し、しし座にあることからそのような愛称で呼ばれるようになりました。

太陽程度の質量の星は、年老いるとふくらんで赤色巨星になります。やがて外層のガスが離れていって宇宙空間へ放出されていきます。中心に残った星の「芯」からの紫外線によって周囲に広がったガスが電離して輝く天体を「惑星状星雲」と呼びます。原始惑星状星雲は、周囲のガスが電離する前段階の天体です。

IRAS 09371+1212は非常に複雑な構造をしています。そのことは星雲の形成過程が複雑であることを示唆しており、観測されていないもう1つの星が存在し星雲の形成に寄与している可能性があるとみられています。

画像は2011年12月5日に、ハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」としてリリースされたものです。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA

(参照)ESA/Hubble